『絶対音感』

 『絶対音感』 油彩 F100号
2006年第29回JAG展出品作品 東京都美術館(上野公園内)
11月25日(土)~12月1日(金)奨励賞受賞作品

ティーカップの湯気が五線譜に化け
天使の翼が生えた。
天使の翼は滲んで屋根になる
錯綜する螺旋の王国
迷宮都市。
螺旋は遺伝子のかたち。
万物の故郷。
天井桟敷に人影は無く
地下のエスカレータは誰も運んで来ない。
どこにでも通じているようで
どこにも行かれないような
堂々巡りのような、謎の空間
柔らかな旋律、優しい光。
運命を告げるような残酷さを含んだ
重低音のバリトンの声。
この王国では全てが音に変換される。
そのモノにふさわしい音楽に。
あなたはこの王国では
どんな音に聞こえるのだろうか。
何かを発想する時
閃いた時
そんな時には、世界がゆらぐ気がしないだろうか
そんな瞬間を絵に封じ込めた。
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